税理士飯沼英男コラム

企業の、尽きない嘘が淋しいですね

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動物は嘘をつかないといいますが、猿芝居や猿知恵という言葉は、人間が勝手に、猿は嘘つきだと決めてかかった造語でしょうか。

それにしても嘘は尽きない、ですね。大泥棒の石川五右衛門もびっくりでしょう。

食品の偽装問題は毎週、毎日のようにニュースになります。昔からそんなことの繰り返しで、全く進歩せず、といったところでしょうか。

思えばあの雪印食品(東京証券取引所第2部に上場していた大企業)が、2002年1月に牛肉の偽装事件を起こし、その後信用をなくして廃業、解散と転がるようにして、2005年にはついにこの会社は法律的に消滅して社会から消えて無くなってしまいました。

これを遡って2000年6月には、親会社の雪印乳業が杜撰で不衛生な管理体制や余った牛乳の使い回しから食中毒事件を起こし、結局雪印ブランドは排斥されてしまいました。その後もこうした事件は少しも珍しくなく、偽装、使い回し、管理体制不備、食中毒、何でもありの嘘ばかりです。

「雪印」の事件はすっかり忘却の彼方、といった様相ですが、そんなことはなく、消費者は常に記憶の片隅に刻印しているものです。

こうした事件のほとんどが食品にまつわるものですが、自動車会社の三菱の事件、瞬間ガス湯沸かし器のパロマの事件など食品以外でもいろいろありました。

一度失われた信用は取り返しがつきません。

企業経営を真剣に考えない経営者の安易さが目立ちます。

自社が社会に向かってどういう存在価値があるのか、確保される利益は何に対する報償であるのかよくよく肝に銘ずべきでしょう。 単に儲かったと喜んでいるのはケチな三文商い(さんもんあきない)で、従業員を雇い入れ、借入金もあるような規模で活動する企業の場合には、少なからず社会的使命も負うわけですから、少しは胸を張る気概が欲しいと思います。

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