税理士飯沼英男コラム

借り入れ保証ということについて

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中小企業では、金融機関からの借入れ、リース契約、場合によっては仕入先からの仕入れ債務についても、代表者やその親族役員の個人保証による保証契約を結ばざるを得ないのが実状です。

万が一に事業が破綻した場合には、保証人となった個人は、(根保証制度の改正によっても)当初では予想できないほどにふくらんだ膨大な借金を連鎖的に背負い込み、破産宣告や、行方不明、最悪では自殺といった事態になる例が少なくありません。

一方、その企業の技術力やノウハウという潜在的価値、財産があっという間に失われ、社会的にも損失ですから、再生の可能性が失われないような法的整備等の社会ルールも望まれます。

保証債務は相続でも相続人に引き継がれ、おおむね相続放棄以外、債務から逃れられません。

仮に債権者その他から、債務の免除や立て替え等の援助を受け、立ち直る(再生)機会があっても、税制の問題(基本的には債務の免除は債権者側で寄付金、債務者側で債務免除益、援助は贈与となり、法人税や個人では贈与税の課税対象となる)やこの相続の仕組みなどから、その“再生機会”が活かされない、つまり、資金援助者の意図が意味をなさないことになります。

さて、法律的な面の問題はさておき、企業経営者としては、個人の能力をはるかに超えた保証額に至るまで経営が悪化してしまうとか、過大な自己評価をすることのほうが問題です。

自社の企業としての力と信用限度額の想定、保証能力と保証額、担保力などの正しい把握が大切です。

土俵の俵を意識しない相撲は、命綱をつけずに危険な所へ飛び出すようなものです。

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