大不況に負けない!
株価が大暴落。
日経平均株価も2003年来の安値です。
リーマンブラザーズが破綻して、急激な株安の連鎖現象や実体経済への影響が本格的になってきました。憂慮すべき非常事態といわざるを得ません。
そして一体どこまで落ち込むのか、ということも冷静に考えておかなければなりません。
この「貯金箱」の8月号(本年、7月16日発行)
と10月号(本年、9月16日発行)で金融不安について、なぜ不安なのか、ということについて触れました。
また、2月号(本年、1月16日号)で、アメリカは世界の中心ではなくなっている、という視点についても触れました。
8月号で触れたとおり、実体経済(実態需給関係)に比して1995年の時点で100倍、その後の約10年で膨張した結果、推定200倍規模の通貨が世界中を駆け回っていると考えられています。それらは余剰資金という呼ばれ方で様々な形のマネーゲームを繰り返して更なる余剰資金を生み出してきたわけで、その規模は日本の国家予算約100兆円の1,100倍もの膨大なものです。
今回の金融不安では、詰まるところこの余剰資金がなくなるまで破綻を繰り返すという理屈も考えられるわけで、各国が協調的に公的資金を投入するという方針ですが、たかだか数兆円規模で収まるはずもないほどの大規模の資金が陽炎のように消えてゆくわけです。各国が数兆円規模の話をしたところでとても追いつく話ではありません。
世界中の資産価値が、半分以下、三分の一に近づくまで下げ続く、というのが、私の観測で、これは年金資産や銀行や保険会社の運用資産の目減りから融資体力の劣化につながります。
諸般の状況を考えれば円高になる傾向は避けられず、輸出に頼るという日本経済の基本的スタンスが弱点になりつつあります。
さてそれでは、我々の企業経営は如何にしましょうか。
先ず、金融の逼迫は避けられませんから、早め早めの資金手当です。政府や自治体の方針の通りには銀行や金融は
動きません。
そして、早めにほころびや弱点を補強すること。警告はいつも馬耳東風が人の世の常です。小手先に見える泥縄式
の対策案では『今更ながら』ですが、やっとお尻に火がついたと思えば、これもある意味のチャンスです。